霜田昌が見た建築の世界

元文部省技官(技術系行政官・1級建築士・設計事務所開設免許取得者)

文教施設創刊号・編集後記

この21世紀を通じて、わが国が人類の平和や地球環境の保護に寄与し、かつ活力ある国家として発展し、科学技術と文化による立国を目標として行くためには、基盤である教育・文化・スポーツ。学術・技術の振興がきわめて重要です。

特に、次代を担う子どもたちがたくましく豊かに成長することは、世紀にわたるわが国の発展の基本であるため、その育成・教育環境の整備は最重要な課題といえます。

政府はあらゆる社会システムの基盤である教育について検討をいただくため、昨年「教育改革国民会議」を設置し、新しい時代を先取りする改革を目指し積極的に議論を進め、昨年末にはその報告を受けて今後の改革の柱にすることとしています。

教育改革の視点として大学改革と学術・研究振興の推進は重要な点です。先年来文部省は、国際社会において国力にふさわしい役割を果たして行くための科学技術の発展の基盤となる学術研究の充実を推進するため「科学技術創造立国」を目指した施策を進めて参りました。また、本当の豊かさを実感できる社会の実現のために「文化立国」が提唱されており、スポーツについては、豊かなスポーツ環境の整備を目指して保健体育審議会による「21世紀に向けたスポーツの振興基本計画の在り方について」の答申により数々の施策が進められています。

さて、行政改革の一環として中央省庁の改革があり、本年1月、文部科学省がスタートしました。この記念すべき21世紀の初年に刊行される本誌「文教施設」は、このような社会の大きな変動期をとらえ、新しい文部科学省の出発に合わせて、教育。文化・スポーツ・学術・技術にわたる文教施設にかかる総合情報誌として創刊されるもので、関係者に大きな期待を持たれています。

施設づくりは多くの人の共同作業がその基本であり、このことは協働による豊かな社会の実現を目的とする教育・科学技術・文化立国の理念に通底するものであると考えます。

これらのことから、このたび前誌「教育と施設」に続き新季刊誌「文教施設」の編集委員会の委員長をお引き受けすることになりました。

 


・2001年1月創刊号・■編集後記

本誌がよりよい文教施設づくりのために充分に活用され、新しい時代に適応した豊かで潤いがあり、機能的でかつ永続性のある文教施設づくりが進められることを期待しています。2001年1月編集後記 2001年1月号創刊号短時間での原稿依頼や取材、広告のご協力などずいぶん無理なお願いをして制作した創刊号です。たくさんの人に助けられて予定をクリアーすることが出来ました。成果品は紙数、時間等に限られて必ずしも完璧ではありませんが、お許しいただいて次号をご期待ください。感謝(霜田)/世紀をまたいで創刊号の編集作業に追われた。さらに悪いことに、質の悪い風邪をもひきずったまま年越し。おかげで、21世紀最初の年賀ハガキを出しそびれ、「2001年苦痛の旅」を予感させる。(吉尾)/創刊号立上げに参加でき、一部写真取材に同行し、産みの苦しみを味わいつつもやりがいのある仕事なので次号へ(高橋)/汗と涙にまみれた創刊号です。味のある見やすい情報誌をめざして、また戦い[苦笑]の日々へ(武生)